yakuto2009-07-10

この前、人前で我を忘れて考え事をしていたみたいで(しかも同席者が作ってくれた水ようかんを食べながら)「どうしたの!?大丈夫?」と言われてハッとして大笑いになった。水ようかんを作ってくれた人は「そんなに不味いんだろうか」と不安になったらしい。甘いもの食べて頭が回るようになったから、考え事をしたんだ。と言い合ったけれど、あんなに我を忘れて(人前で)考え事をするのは人生で2度目だったので、一生忘れない出来事だと思う。
はじめて人前で我を忘れて考え事をしていたのは、8年ほど前で場所は駅のホームだった。知らないおじさんに『大丈夫ですか?気分悪いんですか?』と言われて、いえ全然。と答えたけれど、とてもつらそうな顔でそのおじさんを長時間に渡り凝視していたらしい。そしてそのおじさんは、きっといい人だったので、心配になったり『あまりにしんどくて声もだせなくて、目で訴えかけて助けを求めているのかな?』と思い、声をかけてくれたらしい。
今もたぶんこの先もずっと忘れないだろうけれど、あの時、考えていたことは、本来言っておいた方がいいことを、意図的に言わないで、バレた時に「言ってなかっただけで、決して嘘はついてない」というのはフェアじゃないなー。と、言うことだった。ちょうど友達がそういうことを言われる立場に立たされていて、聞いた時に、すぐに『よくある話だよな』と思った。そしてよくある話かもしれないけれど、よくある話ですませるには友達はあまりにも傷ついていて、傷ついた友達を私では慰めることも一瞬でも元気づけることもできない、なんというかまったくもって役不足なんだよなーと、感じていた。たぶんあの時に私ははじめて『よくある話』ではなく、それらの問題を真剣に考えたんだと思う。
水ようかんの時も、おじさん(友達だけれど)を凝視して考え事をしていたらしい。その時に考えていたことは、これから作る木版画の色をどうするか?という事でした。黒にするか茶色にするかで迷っていて、水ようかんの色が墨色で、ああ、こういう色もいいね。と目の前が開けたんだけれど、ハタからみたらうちに籠ったように見えたのだそうだ。