今月から再来月あたりまで知人が個展やグループ展をすることが多く、その流れで再会する人もいれば近況を聞く人もいたりして、そしてもちろん会場では作品に刺激を受ける。
目白押しの中、私が木版画をはじめた当初、そして今も私におおきな影響をあたえている方が個展をひらく。その個展は新作を発表するのではなく(新作もあったけれど)主に今まで制作した作品を展示するものでした。その方は年に2、3度は公の場で新作を発表しておられるので、個展では新作ではなく・・・という考えもあったのだと思う。
懐かしい作品や、見たことのなかった作品もあり、あらためて感じ入るものがあったのでした。私はモロその方の影響を受けており(作風というよりは、あり方について。根底に流れているものなど。)家でも外でも私がどれだけその方の影響を受け、それが良くも悪くも作用していることを口にしています。今回の個展を通して、あぁやっぱり散々口にしている(言わずにはおれない)ほど影響を受けてしまっている…と打ちのめされたような気分になる。息抜きに楽しみではじめた木版画がこんなに苦しいものになるとは・・・と感じる時もあるけれど、この人と先生がいなければ私はきっと続けていなかっただろうし、続けていたとしても苦しみは感じていなかっただろうなぁ・・・とも思ったのでした。
それとは別に、私自身の問題(凹版を摺る日)が迫っていて、でも板はまっさらなままの状態。先月からあがいているけれど、どうしてもコレ!というのがやってきてくれないし浮かばない。コレ!がきてくれれば動き出すのに、やってもやっても考えても考えてもという状況。ただ、昨日なんとなく「この方向でゆきたい」みたいなのがポッと浮かんで、それを煮詰めてゆけば面白いものになりそうな感触はあった。凹版ならできるかもしれないという予感。予感を離さないで温めて格闘してみたいと思う。