西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ」が出版された経緯には驚くような、あぁそうであってなんらおかしくない。と感じ入るような。当初は楡出版から出版されたのだけれど、改めて考えるとなんともなるほどな。と思う。この事柄には意味があるんだろうかと考え込んでみたくなるほどに面白いように繋がってゆき、腑に落ち・・まるで梨木さんの著作のような物語がこの本の出版にはあるではないですか。そしてわかってみればたしかに強く河合先生を感じる。とくに「裏庭」。文章の力強さといい構成といい、きっと梨木さんは河合先生をかなり意識して書かれたのではないかと感じずにはいられないくらいに。
河合先生は梨木さんが「裏庭」を書く前から存在をごぞんじだった。しかも一番の読者であったのだろうと思うとなんだかほんと「あぁ」と思う。
裏庭 (新潮文庫)

裏庭 (新潮文庫)

文庫本「裏庭」に書かれている河合先生の解説は『人間にとって、「庭」はおそらく完成することはないのであろう。死ぬまでーいや、死んでからもー庭師の仕事は続くであろう』という言葉で締めくくられている。