博多。

今月に入ってまとめて宝塚歌劇の感想なるものを書いているけど、今度からは思い立ったが吉日で早め早めに(気が向けば。これが重要)書こうと思う。
8月に星組博多座(もちろん福岡の博多にある)で『シークレットハンター/ネオ・ダンディズム2』を公演したのだけど楽日に近い頃に観劇に行く。
博多はとてもいい街でした。神社と寺と水族館と…行きたいところはめじろ押し。でもゆっくりしたい。という矛盾をかかえたものであったけれど、ゆっくりしたい気分にはさよならを告げウロウロしまくった。夏バテじゃなくてよかったと心から思う。
観劇は素晴らしかったですね。『ネオダンディズム2』が(陳腐な表現をすると)最高。キャリオカのシーンなど(大劇場公演では)良さがいまいちわからなかったけれど、文句なしによかった。明日へのエナジー。という新しいシーンが入ったけれど、これは私はハラハラしっぱなしで観たのでした。『とうこしゃん*1またヘンな汗かいてるよ〜…体調大丈夫かなぁ』と…そのシーンを泣きながら観ていたらしい同居人に比べ、情緒がなさすぎる自分にガッカリした。何度か客席降りのシーンがあり、涼紫央さんに感激。涼さんは本当に(ジェンヌでありながら)熱狂的なヅカファンだよ。ファン心理がわかるからファンの人が喜んでくれそうなことを少しでもしたい。という心(しかも行動にも出ている)が伝わってくる。私の隣に座っていたばーちゃんが涼さんに握手をしてもらって(涼さんから握手をしていた)とっても喜んでいた。
『シークレットハンター』でも涼さんは素敵でありました。黒塗りが似合っていた。この博多座公演はいろんな意味で楽しかったけれど、私にとっては隣に座っているばーちゃんが最高の思い出。ばーちゃんは足が悪いらしくて車椅子で観劇に来ていたんだけれど(娘さんに付き添われて)本当に観劇が好きな人なのです。博多座にはしょっちゅう来ているようで、毎年8月に博多座に来る宝塚歌劇も楽しみにしているらしい。幕が開く前には「私はすみれさん*2知ってるよ〜。すみれさんは歌がとってもうまくて、綺麗な人よ〜」と春野さんについて娘さんに熱く語っていた。たぶんいつも付き添いで来ているであろう娘さんも(当然)すみれさんのことは知っているのだけど「今日はね、そのすみれさんの同級生の人が出るんよ〜」と、とっても楽しそうに話していたのでした。
幕があけると、ばーちゃんは祐穂さとるさんに釘付けだった。顔立ちが(舞台メイクをしていても)わかりやすいってのが大きかったと思うんだけど「あの人また出てるよ〜」「あ、また出てるよ〜あの人忙しいねぇ」「つぎは敵で出てるよ〜」と祐穂さとるさんが出てくるたび(そして見つけるたび)に小さい声をあげて大喜び。そのうち私も祐穂さとるさんに釘付けになって、ばーちゃんが気付いていない時は教えたい気持ちでいっぱいになる。出演者が少ないから色んなシーンに色んな人が出てくるんだけれど、たしかに祐穂さとるさんはもの凄く出ていたし、それを見つけた時の喜びといったらなかった。
幕間では「すみれさんの同級生の人も歌がとーっても上手ねー。すみれさんとはまた違う上手さだねー」と言いながらお弁当を食べていたけど、祐穂さとるさんだけではなく劇全体も十二分に楽しんでいるばーちゃんは観劇の達人だと思う。ばーちゃん来年も元気に観劇してください。
観劇後、同居人が延々とネオダンディズム2の素晴らしさについて語りまくっていたのにもびびった。同居人はショーがあまり好きではないので、当然ながらネオダンディズムも好きではなかったのだけど、その分「よかった!」と感じたのが強く心に響いたようでラーメンを食べている時も話し続ける。
博多座は雰囲気がすごくいい劇場で、こんな素晴らしい劇場を持っている博多という街は素敵だと思いました。キャナルシティムーミンカフェもよかったし。
帰りの新幹線で私がボーッと掲示板(新幹線内で流れているニュース)を眺めていると、花組次期主演男役に真飛聖が決まったと流れていたのでした。

*1:安蘭けいさん。

*2:先日退団された春野寿美礼さん