検診・原虫・風邪

風雨のその後と、ほかのカメの検診。暴れて抵抗する女子軍団をおひとりずつプラケースにいれ、男子軍団は大きめのプラケースを真ん中で区切り個室を作りいれる。ケージの底にはカイロを張り、便検査のための便を採取、保管して、メモなどをかばんにいれ・・・準備をするだけで大仕事。
今回は同居人に車で連れていってもらったけれど、その間風雨は一度もへんな呼吸音をせずホッとする。しかしながら狭いケージに無理やり閉じこめられた女子軍団は(狭いながらに)暴れるだけ暴れお漏らしをして車中がくさくなったのでした。それにくらべ男子軍団はたいへん静か。透明なプラ板でしきっているだけなので、お互いの姿が丸見えでにらみ合っていた。
イコロ・車で移動中
イコロ・車で移動中 posted by (C)キリン子
イシガメ女子・風雨の風邪と総排泄孔脱はこの2週間でだいぶ良くなり、薬浴の効果があったもよう。総排泄孔脱はまったくわからないくらい炎症がおさまり、症状も出ず。風邪は飼育環境がものをいうので、まぁ、よい状態なのかな?季節の変わり目を甘く見て「まだ大丈夫かな〜??」と夏飼育を続けていたのが悪かった。
便検査ではトリコモナスは駆除されておらず。数もたいして減っていない。もう2週間投薬(飼育水に薬を混ぜて、水換えは毎日する)を続けてみてダメなようなら、治療法をかえてみるということ。
薬浴はバケツの中で毎日2時間行っており、その間中、風雨はバケツから必死で脱出しようとこころみ、来る日も来る日も背伸びをしてバケツの側面にそってクルクルズリズリしています。それが祟って人でいえば顎の部分を擦って出血・・・・。
風雨・顎擦り傷
風雨・顎擦り傷 posted by (C)キリン子
あわてて薬浴環境を四角いケージに変更したら出血がなくなったので、バケツの丸い形が出血の原因だったよう。治療中にケガなんてなぁ・・とガックリというかため息が出たけれど、先生は「出血するほど元気に逃げようとしたってことだし、傷は軽いし、大丈夫ですよ〜。ははは。」と笑っていた。
夏のあいだ風雨と同居させていたイシガメ・女子のイコロの便検査は(やはり)トリコモナスがいた。風雨同様の治療をしてゆく。触診では暴れまくって先生を引っかいて申し訳なかった。「イコロってなにか意味のある名前なんですか〜」と聞かれたので私はこたえる「アイヌ語で宝物とか宝剣って意味です」先生は「へぇ〜じゃ、この子は宝物なんですねぇ。名前の通り一番可愛いですか?」「・・・・いえ、どちらかといえば凶暴で一番手に負えなくて、困った子ですねぇ。まぁ、みんな可愛いですけど・・むにゃむにゃ」とだんだんと声が小さくなる私。じぶんのペットのことを具体的に言うのってなんでこんなに恥ずかしんだろう。先生は風雨ちゃんと顔つきが全然違って、やっぱり個体差というのはすごいですねぇ。イコロちゃんの顔はシュッとしていてりりしいですねぇ。と、言っていた。トリコモナス以外は問題なし。
イシガメ・男子の森羅は便検査も触診も異常なし。いい感じで太って健康優良児とのこと。
クサガメ・男子のプンタも便検査、触診ともにとくに異常はなかったけれど、痩せてはいないけどもうちょっと太ってもいいかな?とのこと。あえて言えば、どのカメも持っている菌でとくに問題はないんだけど、ちょっと菌の数が多い気がするので飼育環境の温度設定を高めにしてご飯をたくさんやって代謝をよくし抵抗力をつけた方がいいかもしれません。と仰る。
しかしながらプンタに限っていえば診察うんぬんより、プンタを一目見た時の先生の反応が面白かったのでした。「え〜。すごい〜。こんな顔の子いるんですねぇ!すっごい目が大きいですよ。小さいころからこの顔でしょう?ええぇぇ・・・個体差なんだろうなぁ。この子なんとも言えない顔ですねぇ!こんな顔の子はじめてです。うわ〜うわ〜」と言いながらプンタの顔をスケッチをはじめたのでした。私はあせる。小さいころからこんな顔だった(と思う)し、クサガメの顔を比べたことがないから???そ、そうなの。でした。先生はまだまだ続ける「うちにもクサガメがいるんだけど、も〜全然違う!うちの子はもっと目が小さいですよぉ。あ〜個体差だよねぇ。う〜ん、この目の大きさはすごいなぁ。大きくてちょっと出てるもんね。はぁぁ」・・・・私は目が出ていると言われたとたん、頭の中で悪いことがぐるぐると回りだしたです。ずっと楽しそうにしている先生に「あの〜目が出てるってビタミンが足りないとかそういうことですか?最近、ちょっとプンタはぜいたくでツブ(配合飼料)を食べない日とかあって・・むにゃむにゃ」という質問をすると「あーそういうのとは全然違います。ビタミンが足りないと目が出るんじゃなくて瞼が腫れる感じです。この子は瞼はとってもきれいで目が大きいんですよぉ。ほかに目が出る疾患というのは頭の中に腫瘍があったりする場合ですね。そんな時は片目だけがやけに出たりします。この子はそんな症状じゃなくて、もともと目が大きい子でちょっと出ているんでしょうねぇ。それにしても、いや〜。あははは」・・・大変楽しそう。ほかの子を見る時もとても楽しそうで、この子の顔は、この子の甲羅は、この子の名前は、この子の足は・・・ほんと楽しそうだった。プンタの顔はとびきり。診察終了。
診察後に待合室で待っていたら、同じように待合室で待っている人がしきりとうちのカメが入っている袋を気にしているので「カメですよ〜」と見せるとびっくりしていた。はじめは小さい子(森羅とプンタ)が可愛い!なんてはしゃいでいて、しまいにはイコロが可愛い。この子、私のことをジッと見てくれてるから一番好き。と仰っていた。飼育環境や病気やいろんなことを質問され(その方は犬を飼ってらっしゃるのだけど)カメ話で盛り上がる。
動物病院ってところは「動物好き」という共通点がそうさせるのか、話しかけたり話しかけられることが多くて面白い。母などは銀四郎(実家の犬)の薬をもらいに行った時、待合室でウサギを抱いておられる方がいて抱かせてもらったと喜んでいた。嬉しくて寂しくて、そういうことを(ウサギの飼い主さんに)話していたらジッと聞いてくれて、待合室にいたほかの方とも愛犬や愛猫の話でもりあがりずいぶん気分が軽くなったらしい。ペットロスは待合室で解消される時もあるのです。
今回の検診では連れてゆくのに疲れたけれど、風雨が快方にむかってなにより。連れてゆく時にお漏らししまくり、汚れたタオルを先生がぜんぶ洗ってくれたことはほんと申し訳なかった。「いっぱい食べて、ちゃーんと消化しているって証拠だから、ぜんぜんいいんですよ〜」と言ってくださったけれど、とくにイコロの暴れぶりとお漏らしぶりは閉口したのでした。
同居人は待っている間にホームセンターや雑貨屋巡りをし、ちり取りさがしに余念がない。しかし見つからず。帰宅後、全員をケージにいれツブ(配合飼料)をやると、全員が全員元気に食べていた。