ウミガメ

yakuto2007-02-13

先日日本ウミガメ協議会が主催する『リバイブうみがめ戦略会議』というシンポジウムに参加してきました。
ウミガメ協議会は年に一度『日本ウミガメ会議』なるものを開催するのだけど、開催場所が太平洋に面した土地や島で(今年は種子島らしいよ)私は参加したことがありません。
ウミガメ
ウミガメ posted by (C)キリン子
今回参加させてもらった『リバイブうみがめ戦略会議』は番外編のような位置づけ(だと思う)で、大阪湾や播磨灘に来るウミガメ(アカウミガメ)や、かつての環境や今の環境についてのディスカッション。日本ウミガメ会議とは着目点が大きく違った内容だったようです。行く前は「戦略会議って・・なんかすごくね?」と同居人と言いあいドキドキしていたのだけど、行ってみて思ったのは「戦略会議」と銘打つのはあまりそぐわないんじゃないかなぁ??でした。驚きに満ちた濃いお話しや意見を聞くことができました。
具体的な内容は、かつての大阪湾や播磨灘はどういう環境だったのか?(主に浜について)養浜や植生について。積極的にウミガメを放流するというのはどういうことか?生態調査・・・などなど。
漁師さんや、その土地で生まれ育った人への聞き取り調査が大変面白かったです。いや、その方達は会場にいらしていたのでイキイキとした体験談をライブで聞くことができたでのす。とくに東播海岸や成ケ島についてのお話は口をぽかーんと開けて聞き入ってしまったですよ。「ふへぇ〜」と声も出していた(らしい)そのお話しの中には必ず季節風が出てくることが印象的でした。風がどれだけ海岸に影響を与えていることか!!私のちゃちな想像力など軽く凌駕していたよ。
ほかには「水上バイクの音や振動はウミガメに影響を与えているのか?」という調査報告が興味深いというか・・笑いました。突っ込んでの調査はまだまだのようですが、調査員(2名)が海に潜り、その上を水上バイクが走る・・という実験をしたそうだ。これからの報告をもっと聞いてみたいなぁ。ウミガメは低い周波数(50ヘルツほど)に敏感で、ボートのモーター音などは察知している可能性が高いそうです。(モーター音がウミガメに影響を与えているかどうかの話にはならなかった)
参加者の専門分野が色とりどりで(漁業、海岸工学、海洋学、海洋生態学、観光、行政、ウミガメの研究者・・・)中には水族館関係や土木関係、市の職員の方がこっそり紛れ込んでいたらしい。発言もされていた(私や同居人のように「聞きに行っただけ」の人もいたであろう)専門が色とりどりだと、ひとつの疑問に対してひょんなことから答えが出たりして本当に楽しかった。明石原人やマンモスの話まで出たものな。私は個人的に養浜について興味と疑問を持っていたので、その疑問が解き明かされたのも収穫。ほかにも収穫が多くて、その一握りもここには書き切れないのだけど・・・また参加したいなぁ。
雑談のような感じで、京都の宇良神社(浦嶋神社)にある絵巻物のカメの種類の話になったのだけど「アオウミガメかも」という意見には目を見張る思いでした。大きさを理由にアオウミガメじゃないか?と仰っていたのだけど、私はアカウミだと思い込んでいたので・・・大きさね・・大きさかぁ・・と思ったです。
ウミガメを祀るといえば、漁師さんなどはウミガメが捕れると酒を飲ませ海へかえす・・という風習があるのだそうですけど(地域によっても違うんだろうね)葛飾北斎の絵(たぶん肉筆)にもカメに酒を飲ませる絵がありますよね。高砂のじいさんとばあさん(尉と姥)のような人が井戸端で神酒を飲ませているのです。カメは異様に大きい蓑亀なのだ。私が見るかぎり「これニホンイシガメ!」なんですけど、大きさはニホンイシガメとは全然違いますね。絵巻物の質にもよるのだろうけど、大きさって重要なんだろうか?ぜひ一度、宇良神社の絵巻物をこの目で見たいものです。
とうふ
とうふ posted by (C)キリン子
↑は『リバイブうみがめ戦略会議』が開催された酒心館で購入。
シンポジウム後、元・同居人とのメールのやりとりで「近所で開催されたウミガメのシンポジウムに参加したのだよ」と話題を出したら「いいねぇ!私、ウミガメ協議会ってところの会員なんだよ。活動はたいしてしてないけど」などという返事が来てビックリしたです。元・同居人のことを考えるとビックリするような事でもないのだけど、あまりにドンピシャで(やっぱり)ビックリした。
ウミガメ協議会の会員になろうか迷っていると伝えたら「会った時に会報誌見せてあげるよ〜」と言ってくれたので楽しみ。元・同居人とは(たまたま)今週末に2年ぶりの再会をするのですよね。