yakuto2006-11-23

写真はししゃも。この時期になると北海道むかわ町(にある「めぐみ水産」というところ)から取り寄せているのです。我が家で(ししゃもは)この時期しか食すことのできない、貴重な品です。新婚旅行で北海道に行った時ちょうどししゃも漁の時期で、ししゃもの刺し身や、ししゃもの天ぷらを食すことができたのだ・・・ほんとうに美味で、その味が忘れぬ。忘れられぬので、毎年取り寄せているのです。
私は北海道が大好きで、何度行っても飽きないし、より一層興味が湧くし、まだまだ行っていない所、行ったけれど何度も行きたい所が満載です。同居人の父上が20代の時に阿寒から中標津あたりに住んでいた時期があると聞いた時は、思わず叫んでしまったですよ。冬には地元の方に連れられて流氷に乗って遊んだらしい。
そういえば池澤夏樹さんは北海道のご出身なのに、北海道を舞台にした作品を書かない人だよなぁ。と思っていた時がありました(私のこの発言に自分自身ひっかかりを感じるのだけど、思っていたのだから致し方なし。池澤さんは一読者にそうい風に思われるのは重荷だったかもしれないし、どうも思っていないかもしれないけど、私は自分がこう思うことに、ひっかかりを感じるです)そう思っているうちに

静かな大地

静かな大地

満を持して登場・・・という作品を書かれて「・・これなら・・なかなか書けなかっただろう」と思ったものです。読み手も辛かったけれど、書き手はもっと辛かっただろう。そういうたぐいの作品だ。透明でキラキラとしたエピソードが、どれだけ読者を幸せな気持ちにさせ、後々に切なくさせるか。本全体が口伝の形式をとっていて、池澤さんの強い思いを感じる。
以前、山本容子さんの個展の時に、新聞連載当時に掲載されていた静かな大地の挿し絵がズラッと出た時があったのだけど・・・一枚一枚を眺めていると、忘れ去られてしまった個人の歴史を見ているようでありました。こういう風景に出合うたびに、後世に残った歴史だけが重要なのではないと気付きます。
池澤さんは北方民族博物館の冊子にも言葉を寄せているのだけれど、とてもいい文章です。そして北方民族博物館は一度だけでなく、何度も足を運びたくなる博物館のひとつです。