角川書店が毎月「本の旅人」という冊子を発行しているのですが、その中に大島弓子さんが「グーグーだって猫である」という猫のエッセイを描いています。

グーグーだって猫である

グーグーだって猫である

私は昔、大島弓子さんの漫画が苦手で(何が苦手かと言われたら、ヒョロッとした線と絵が苦手だったのだ)読切ることができなかったのですが、ある時「ダリアの帯」という漫画を読んでから・・・読めるようになりました。綿の国星では涙したしな。猫が苦手なお母さんが、猫に触れて抱きしめるシーン。気付かぬ間に泣いていた・・・という経験をはじめてした瞬間だったです。私は滅多に泣かないというか人前ではまず泣かないので「綿の国星読んで泣いた」と友達に言ったら、天地がひっくりかえるんじゃないかという勢いで「オマエも泣くことがあるのか!!」と、驚かれたこともありましたなぁ。
その大島弓子さんの猫エッセイ・・・私は大島作品の中で一番好きかもしれません。とくにグーグー(←大島家にいる猫の名前)の前に大島家で暮らしていた「サバ」について描かれたものは・・・ほんとうに好きだ。
サバの夏が来た (白泉社文庫)

サバの夏が来た (白泉社文庫)

サバの秋の夜長 (白泉社文庫)

サバの秋の夜長 (白泉社文庫)

グーグーだって猫である」にもサバのことが出てくる時があるのだけど、その出てきかたがたまらなくいいのです。サバとグーグーでは表現法が全然違うのだけど(サバは擬人化されて登場し、グーグーは猫として描かれているのが大きな違い)その表現法の違いがまたよかったりする。
猫を題材にした漫画は世の中にたくさんあって、それぞれに魅力的なんだけど・・・個人的には仔猫を描かせたら大島弓子松本零士がグンを抜いていいんじゃないかと思います。私が苦手とするヘニャっとしてヒョロッとした線が、いかにも仔猫なんだよなぁ・・・と思う。山下和美さんもいいな。
サバが主役の漫画は実家にあるので、近々取りに行くか、読みに行かねばなるまい。今すぐ読みたい気持ちなのだけど、用事もなく実家に行ったら「なんで来たんじゃ」と言われるので(べつに仲が悪いわけではありません。そういう親なだけ)なにか理由を作らねば。