ウミガメ

先日終ったグループ展に出したうちのふたつ。ウミガメ。
アカウミガメ
アカウミガメ posted from フォト蔵
↑のヤツは今年の3月にも出したヤツです。そん時は「アカウミガメ」という題名で出したのですが・・・そのことをすっかり忘れ、今回は「ウミガメ」で出しました。
↓カラーバージョンウミガメ。なんか写真に撮ってパソコンに取入れると、一気につまらないモノになってしまうなぁ・・・う〜ん・・・。
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題名は「ウミガメ」↑のと同じ題名。反転していますが・・・元になる絵は同じです。意図的に同じにしました。理由はパッと見た時、面白いから・・・。おなじよーなのが2つ並んでたら「わぁ〜!」と思うかな?というモクロミ
ええと、バラさなくてもいいのですが、バラしてしまうと・・絵が反転しているのは私のミスです。その上、カラーの方のウミガメの足がひとつ足りません。これもミスです。気付いた時は「あ〜あぁ」と落込みましたが、ちょっと時間が経てば「非対称がおもろい」と開き直りました。会場ではお子さまなどは間違い探しをし「一緒やけどちゃう〜」と跳ね回って喜んでいました。なかにはノケゾッテ興奮している子もいて「・・・あんな喜んでくれて嬉しいわい。」と心底思いました。あの子が私のウミガメを一番楽しんでくれていたと思う。
そしてミスではないのですが・・・モノクロとカラーは技法がまったく違うのだよ・・・でも、説明が面倒。書く方も読む方も苦痛だと思います。
モノクロの方は凹版(おうはん)と言って、彫った所にインクを詰めてプレス機の高圧で摺る方法なのです(銅版画やリトグラフと同じ手法)木版画ではあまりしない手法です。そもそも「家にプレス機なんてね〜よ〜。したくてもできね〜よ〜」です。昨年、先生の家でチャレンジさせていただきました。
カラーの方はスタンダードな木版画の手法。凸版(とっぱん)と言います。彫った所ではなく、残したところに絵の具をのせてバレンで摺る方法。子供の頃に黒一色でやったことのある方が多いんじゃないでしょうか?自画像とか花とか木など。
私の説明がぶっきらぼうでワカリヅライと思いますが、時間があれば想像してみてください。モノクロの方は油性絵の具を使用し1回で摺っているのですが、カラーの方はアクリル絵の具と墨を使用し10回くらい摺っていたりします。本来はアクリルではなく水彩絵の具や顔料を使います。アクリルはサッサと作業を進めないと刷毛やブラシを痛めてしまうので木版画には向いていない絵の具です。発色のよい顔料を使ってみたいけど、すんげ〜難しくてネをあげました。
そんでもって、カラーの方はいくつかのバリエーション(摺り方や色を変えてみる)を作ったのですよ。写真じゃわからんですけど、↑にあるカラーとは海の部分の摺り方が違います↓絵の具は黄色以外は同じ。
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・・・これは腕試しになってよかったな。昔は出来なかった技法が(一瞬ではあるが奇跡的に)出来たりして嬉しかった。(でも、違う手法で摺った方がトータルでの出来はよかった。ま、そんなもんです・・・ふっ)
自分自身の感想としては「もうちっと、こう、なんか、さ〜」と思っている反面「想像していたよりは、想像していたように出来たと思う」とも感じたりしているのです。当初は「イメージはハッキリしてるけど・・・イメージ通りには絶対できんやろ。でも、とりあえずやっちゃる!安い紙で!高い紙、むり!」なんていう、やけっぱちなスタートだったのですよね。今、思うと。
モノ作りをしていたら一度は遭遇(何度も遭遇)する事だと思うんですけど「イメージは明確なのに、自分のイメージに自分の技術が追いつかない」事態におちいる。今回がソレじゃった。いつもそうだけど、今回は「さらに倍」って状態でした。「さらに倍」だったわりには、かなりイメージに近づけたと満足しています。(落着いて考えてみるとそー思うということです。作業中や完成直後などは小さなアラばかりが目についてタメ息しかでぬ。)
しんどかったけど、面白かったな。ノケゾッテ喜んでくれた人もいるし。
それにしても写真に撮ってパソコンに取込むと、一気につまんないモノに見えるのがなんだかなぁ・・・・。一眼で撮ればもちっとイイ感じになるのか、私の腕が悪いのか・・・。