おまけという心遣い。

知人からのメールに「この頃(ブログで)本のことばっか書いてるけど・・書くことないんでしょ」なんてことがサラッと書いてありました。・・・・むむむ。なかなかスルドイな。
書くことはそれこそ山のようにあるけれど、大層厳しい取捨選択をし、その結果あえて書かない事が多い。よって書くに楽しい本の話を書いている・・・。と、良心的な解釈をしていただきたいところだ。ふっ。
今日も本の話。
瀬名さんの著書はパラサイトイブとBrain valley以外は(たぶん)読んでいると思うんだけど、先日発売されたエッセイ集『おとぎの国の科学』はとても面白かった。

おとぎの国の科学

おとぎの国の科学

出版元はサイのマークの晶文社。少々値が張るけれど晶文社が出す本にはいいのがいっぱいあるよな。8月の末に出版されすぐに購入したが、読んだのは9月末。装丁もいいと思う。青い紙に銀色がちりばめられているのが良い。まるで星空だ。
『おとぎの国の科学』は一週間で2回再読。私はいつも10冊程度の本を平行して読み進めるのですが、瀬名さんのエッセイは2回とも他の本を全部中断して読むほどに熱中してしまったよ。とくに面白く新鮮に感じたのは、エッセイを瀬名さん本人の観点から5つの章に分けているところ。各章のはじまりに「この章は・・」と感想や意見、謝辞などが書かれておりそれが面白い。とくに5章はとびきりいい。
私の中で瀬名さんといえば「ようこそ先輩」と「ドラえもん」の人というイメージが強烈にあります。ここ何年かは「ロボットの人」もプラスされました。
KIF_2033
KIF_2033 posted from フォト蔵
ドラえもんファンの人は瀬名さんの存在を知っていて当たり前だし、瀬名さんファンの人はドラえもんの偉大さを知っていて当たり前・・というくらい「瀬名さん=ドラえもん。もしくは藤子・F・不二雄先生」です。私は熱狂的なドラえもんファンではなく、F先生の著作なら21エモンエスパー魔美。が好きだな。あ、でも「のび太の恐竜」は別格ですがね。今春に「のび太の恐竜」がリメイクされましたが、同居人も私も興奮したものな。瀬名さんも興奮しただろう。
私は瀬名さんのお書きになるエッセイが好きです。たまに雑誌などで瀬名さんのエッセイを見つけると「おお〜!」と喜んでいました。(さっき久しぶりに瀬名さんのホームページをみたら、以前にくらべ立派になっていてビックリ。時間を作って読まねばな。)瀬名さんがエッセイの中で書いておられる内容が私の好みと合っていたら嬉しいし、私の全然知らない分野なら嬉しいし。そこから疑問がわいたら、またまた嬉しい。なにをテーマに書かれても私がワクワクすることを書くお方なのじゃ。↑の写真にあるエッセイ『遥かなる白亜紀の大空』もよいですよ(『おとぎの国の科学』に収録)
たぶんエッセイだったと思うのだけど(インタビューだったのかなぁ?)違うところでドラえもんについて熱く語っているものがあり、それは収録されてなかった。ちょっと残念だったなぁ。
大人になっても相変わらずドラえもんが好きで、親子連れに混ざり映画のチケットと特典(おまけ)を買う話なのだ。・・・大人が一人で並んでいる光景はあきらかに周囲から浮いていて、チケット売り場の方が「おまけを渡そうか渡すまいか戸惑っている」雰囲気が態度で伝わってくる。だけれど自分はおまけが欲しくて並んでる。というような内容だった。
今、思ったけど『おとぎの国の科学』で各章のはじめに書かれている説明は「おまけ」精神だと思う。やはりドラえもんから大きな影響を受けた人なんでしょうね。