茫々としてるから
いつだったか、どこだったか忘れましたが、神坂雪佳の絵をはじめて見た時のことはよくおぼえています。
「モダンだな〜!」と思い、いっぺんに好きになったからです。うまいような下手なような(うまいんです)色もぼんやりしているような、していないような(していません)具象なのに、なんとなくフワフワとつかみどころのない不思議な感じが私の好みでした。
- 作者: 神坂雪佳
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その神坂雪佳の絵が梨木香歩さん作「家守綺譚」の装丁に使われた時は「わぁ〜これはいい」と嬉しくなりました。読んでみると、内容と神坂雪佳の画風が見事に合っていてさらに嬉しくなりました。何度読んだかわからんし、これからも何度となく読むだろうな。『都わすれ』の最後の一文を読むたびに、胸がシンとするだろうな。
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この「家守綺譚」の文庫本が出たのですが・・・神坂雪佳の違う絵が表紙に使われていた。いいねぇ。私のブログ名、冬の雀だ。スクッと立っていて小石ではないけどね(題名は「雪中竹」)何度も「私のプロフィール欄の画像に使おうかな?」と迷った絵だ。
- 作者: 梨木香歩
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文庫本
梨木香歩さんは著書を文庫にする際、単行本の表紙とは違う表紙にされる方なのじゃ。単行本も文庫も買う私としては、それがとても楽しみです。今までエッセイ以外は早川司寿乃さんが表紙を描かれていたから家守綺譚はどうなるんだろう?と思っていたのだけど、雪佳を持ってきたんだなぁ。早川さんの絵も素敵だけれど、家守綺譚には雪佳が合うと思う。梨木さんは家守綺譚で作風というか題材をかえてきた印象を受けたので、すんなり納得できた。ちなみにエッセイは星野道夫さんの写真です。星野さんの写真はすぐわかるね。村田エフェンディとかどうなるんだろうね!村田エフェンディの単行本は本当に素晴らしいよ。(初版と再版以降では微妙に色の濃度が違うのが気になります。すべて集めたいです)
「あ〜この作家さんと私が同じ時代に生きて、こうして新作が読めるなんて幸せだぁ」と思う方は何人もいますが、梨木さんはそのひとり(しかも、とびきり)であります。
梨木さんの事は書いても書いても書き足りない気持ちになるのですが、心底「梨木さんがこの作品を書いてくれてよかった」と思える出来事や、思い出があり、梨木さんは私の生活に彩りと哀しみを与えてくれました。これからどういう作品をお書きになるのか、ジッと待ちたいと思います。