うへぇ〜

yakuto2006-08-17

同居人の実家が東京なので、お盆は東京で過ごす。西宮にくらべ気温がグッと低かったですが、雨が降ったり止んだりで蒸暑かった。東京でうまいものでも食いてぇ!と思っておりましたが、思うようにノドを通らず、無念。
しかし有意義でした。はてなさんに頂いたチケットで行ったプライスコレクション展にはじまり・・・三の丸尚蔵館明日の神話円朝さんコレクションの幽霊画。無理やり時間を作って動物園も行ったです。
そして会いたくてたまらんかったキーツくんという名前のワンコに約一年振りに再会。キーツくんの姿を見た時は何故かウルッとしてしまいましたよ。『や、やべぇ。なんか話をして誤魔化さねば!』だったです。うちの実家にいる銀四郎と同い年だからなのか、なんなのかよくわかんないけれど(毛質や色や撫でた感じが銀四郎にソックリなのですよ。これは12年生きてきた老犬同士の共通点だと思うのです。12年生きてきてくれて、ありがとうと思う手触り)・・・とにかくウルッときてしまい(自分で自分に)ビックリしました。
キーツくんは二人(二匹)の子分、人のお父さんお母さん。ほかにもたくさんキーツくんのことを撫でてくれる人に囲まれて暮らしています。子分はワルまさっかりで、それはそれは可愛いです。私はキーツくんの人のお父さんお母さんや、お弟子さんの作るものに(いつもいつも)「私も自分なりに頑張るぞい!」と勇気をもらっています。今回も充電。がんばろ。
キーツくんに会う直前に岡本太郎が描いた「明日の神話」を見に行ったのですが、10年以上前に私が「岡本太郎ってどんな人?」と友だちに聞いた時に即座に言われたことを思い出しました。
「太郎とピカソはマブダチ」
明日の神話
明日の神話 posted by (C)キリン子
その時は「爆発だ〜!」みたいな雰囲気が似ているのかな?まぁ実際に友達でもあったんだろうけど・・と思いましたが・・・今になってよくわかる。太郎とピカソには同じ種類の血が流れていたんでしょうね。
そういえば「芸術は爆発だ〜!」というのは、実際には「芸術は場数だ〜!」と言ったのを聞き間違いされた。という有名な逸話がありますが、どちらも(すこしばかりの笑いを含みつつ)深く頷いてしまいます。
ゲルニカの実物は見たことがないけれど、明日の神話を8月15日に同居人と見ることができてよかったです。同居人の母方の祖父母は原爆投下された直後に医師と看護婦として広島入りし数年逗留したのだそうです。しかし子供や孫にもヒロシマについて話すことはほとんどなく亡くなったとか。話すことをしなかったという態度も、何かを雄弁に語り訴えかけるものであると思います。奥泉光さんが15日付けの夕刊(読売)に寄稿していた文章はたいへんヨカッタ。坊ちゃん忍者やるじゃね〜か。
それにしても「明日の神話」という題名は美しいな。

プライスコレクション展は(気が向けば)また詳しく書きたいと思いますが、とにかく「プライスさんって節操のない人なんだなぁ。なんでも集めちゃうお人だなぁ。それが許せる人だな」と思いました。若冲が目玉でしたけど、長沢芦雪がよかった。もう手が(蒸暑さと相まって)プルプル震えた。何度も何度もグルグルまわってみてしまったですよ。私は芦雪のおっかけになるかもしれん。今までは「うめぇな」だけだったんだけれど、プライスコレクション展に出品されていた仙人の絵はほんとうに震えた。ほかには鈴木守一の軸を観て切なくなる。

三の丸は、全体的によろしかったです。若冲は他のが見たかったな。芦雪が応挙風の孔雀を描く必要はない。と確信を持つ。あの細かいシッカリした孔雀図は応挙にはぴったりだけど、芦雪には似合わない。芦雪は応挙とは違う繊細さが似合うお人じゃ。

円朝忌。円朝さんコレクションの幽霊画は、円朝さんのご命日とお盆にしか展示されないのでラッキーじゃった。
幽霊画というのは、写実的にシッカリ描くとぜんぜん怖くなく、うすらぼやけている方がどれだけいいかがよくわかった。展示の仕方なども(かしこまっていなくて)好感が持て、とても楽しかったです。円朝さんの墓にも参る。円朝さんの墓のすぐ近くに山岡鉄舟の墓もあったので参る。山岡鉄舟の若い時分の写真がどれだけカッコイイか。もう幕末の写真の中ではピカイチなのではないかと思う。長いあいだコピーをしたのを持ち歩いていた(カッコイイからブロマイドとして)「山岡鉄太郎まかり通る」といって薩摩軍の中に入っていったという逸話がある・・などと同居人に熱く語ってしまった。

同居人の生まれ育ったところは、とても雰囲気のよいところです。
おみせ
おみせ posted by (C)キリン子

精力的に動いてわかったことは「期間限定なら、なにかすごいパワーが溢れ出る」ということでした。西宮に帰ってきたとたん(すでに新幹線の中で)脱力がはじまっていた。新幹線の中では気分が昂ぶって眠れなかったので、露の五郎(今は露の五郎兵衛)さんの話を延々と同居人にする。
空
posted by (C)キリン子
そして、キーツくんとその子分たちを撫でてばかりで写真を撮るのを忘れたのが、今回の東京行きの最大の失念であったと帰宅し気付く。なんでじゃ、なんで写真撮るの忘れたんじゃ〜!それは写真を撮るより見たり撫でたりしたかったんじゃ〜・・・と、悔しさをかみしめておる。

カメは元気に留守番していたようで、ホッとしました。