熊楠とカメ。

yakuto2006-05-14

かなり前に書いた文章なのですが、このたび田辺の熊楠邸隣りに熊楠記念館が開館されたということで載せる↓

ここ最近、物覚えが悪くなったなぁ・・とガッカリしているのですが、物忘れもヒドクなってきています。正確には何かを思いだすまでの所要時間がやたら長くなってきているのです。どうも思いだせん。
それがまったく思いだせないというわけではなく、おおまかなことは思いだすわけです(だって、まったく思いだせない事なら「思いだせない〜!」なんて気持ちはおこらない)ちょっとしたエピソードだとかは思いだすのだが、それが誰のエピソードであったとか、どの本(人や機関)で知ったのかが思いだせないのです。じれったい。
最近も「南方熊楠フマキラーについて何代目かのお梅さんが語った、すげ〜面白い話があったんだけど、どの本に書いてあったか思い出せん」事態に陥りました。かれこれ3ヶ月ほどですかね?内容はちょっと控えたいのですが(知りたい方はご自分で調べてください)「ああ、読みたい。読んで思いっきり笑いたい」とイライラする毎日でありました。
はじめは「フマキラーとお梅さん」を思いだし・・『それってなんだったっけ?』しばらくして「熊楠であったと思う」に至り、またしばらくして『それが書いてある記事、家にあった気がする』と思いさがすとありました(一部だけ書いてあり全文掲載ではなかったのが腹立たしい)結局、図書館に行って猛烈な勢いでさがしてしまった。
で、ですね。南方熊楠の文章を久しぶりに読んだのですが面白かった。爆笑するほど面白かった。面白いとはわかっていましたが、まさか図書館で爆笑するほど面白いとはわかっていなかったので恥入りました。

南方熊楠全集 10 (10)

南方熊楠全集 10 (10)

↑とにかく、どの巻も面白い。今読みたいのは熊楠の日記であるが、我が町の図書館の蔵書にないのでどうにかせねばならぬ。
読んでいるウチに(またまた遅いヒラメキではありますが)「熊楠って人はカメ大好人であったなぁ・・犬や猫も好きだったはず」と思い至る。ちょろっと読んだだけでも、熊楠の文章には亀のことが沢山出てくるし、実際に沢山のクサガメを飼っていた。私が図書館で読んだ熊楠の文章には「40匹の亀を飼ってる」と書いていましたが、帰宅しお梅さん(女中さんの呼び名)の談話を読むと「60匹ほど」と書いてありました。とにかく、すんげぇ数のカメさんですよね。
読んだことをスッカリ忘れていましたが(熊楠には面白い話が多すぎるんだよ!)あらためて熊楠と亀について、いろいろと読んでみると、熊楠は実在する浦島太郎でした(子供にいじめられている亀を八錢で買い取って育てた)
熊楠もしくは愛息の熊弥(この熊弥の愛称が「チョボ六」とか「チョコ六」とか色々呼ばれていてややこしい←しかも初代「チョボ六」は猫の愛称なのである。熊弥が生れて猫→人へ移行する)が命名した亀達が最近まで生きていたのだ。「お花」「お菊」「太郎」という名前。その名前は覚えていて「あ〜熊楠ん家のカメだったのか〜!」と嬉しくなりました。お花はたぶん寿命。お菊、太郎は非業の死を遂げたのであった。熊楠の死後に飼われていた小太郎というカメは今も元気に生きているんだろうか?熊楠邸に今もいるなら、是非お会いしたい。
我が家にもその記事が載っている図鑑やら本やらが何冊か出てきて、蓑カメ(甲羅にフサフサと藻を生やしているカメのこと。よくメデタイ絵などに出てきますね)の話も載っていました。
熊楠邸のカメ池と庭はたいへん参考になる作りで、あんな庭飼育・・ほんと憧れちゃうなぁ。