[日常]いやなんだけど
この前、観てきましたよ『小さき勇者たち〜ガメラ〜』はじめっから観たくなかったけど、観てきました。自分の立ち位置、考えをより明確にするために観に行ったのです。観なければ文句言えないからね(文句言いたいから観にいったようなもの)
私は観る前からこの映画で生体カメ(ケヅメリクガメ)を使用している事に怒りをおぼえていました。どうせ知識のないヤツが「生きたカメを使ってリアルさを表現したい〜!」とか言いやがったんだろう・・という怒り。それを言ったのは、たぶん、映画に愛情はあってもカメには愛情がない人なんだろうという怒り。知識も愛情もないヤツは必ず対象を不幸にする。
実際の映画を観た感想は・・着ぐるみのガメラ可愛かったです。ケヅメリクガメも可愛かったし、1メートルくらいの(作られた)ガメラも可愛かった。でも・・観ていられませんでした。一度、途中退場してしまいました(気をしっかり持って「文句言うなら最後まで観なきゃ」と言い聞かせて戻ったけど)
カメが階段を転げ落ちるシーンや、人間に甲羅を踏まれて滑るシーンなどがあります。まさか生体が使われてないと思うけど、前後に生体が使われているので「リクガメって丈夫なんだねぇ!」と思われてもしかたないと思う。階段の上から転げ落ちたら内蔵を痛めて死に直結するし、大人の体重に耐えられるほど(赤ちゃん)リクガメの甲羅は丈夫じゃない。ゾッとした。
私は(細々ではありますが)立体人形を作る仕事をしています。私の技術はまだまだ低いけれど、日本には素晴らしい造形作家が大勢いらっしゃる。食玩などはみんな造形作家が原型を作っています(その素晴らしい腕に対しての評価はあまりに低すぎますが)今回の映画でも1メートルくらいのガメラから造形ガメラになっていましたが、素晴らしい出来だったです。じゃ、はじめから造形ガメラにしろよ・・・。というのが私の意見。膨大な時間をかけて何百種の赤ちゃんガメラを造ってコマ撮りして・・若い立体造形&映像作家達の腕の見せ所だと思う。話を聞けば嬉々として仕事をうける人はいるでしょう。リアルであることを表現する時に「生体使ったらいいじゃん」って考えや手法はあまりに安直。
情報によると10頭のリクガメさんが使用され『元気のあるカメ』を撮影に使ったそうだ。元気ない子、元気がなくなった子とかがいるってこと?揚げ足を取るようだけど、よくそんな事書けるな・・・と思いました。パンフレットには13頭と書かれていて、頭数に差があるのも不信感いっぱい。『健康管理は美人スタッフが付きっきり』だとパンフレットに書いてあった。リクガメの知識豊富な美人スタッフだったことを祈る。
映画では最後の最後に2,3秒{ケヅメは大きくなるから飼うのには覚悟が必要ですよ}(放映時間があまりに短くて覚えられなかった)と表記。パンフレットにはお二人がケヅメリクガメを飼うことがどれだけ大変か・・という文章を寄せている(お一方は『カメディカ』の先生)それぞれの立場から書かれた、いい文章だと思います。でも・・・飼いたくなった人は大勢いると思うなぁ・・・。
パンフレットには書かれていなかったけれど、撮影後カメさん達はどこに行ったんだろう(伊豆アンディランドかな?)生き物を扱う以上、最後まできっちりとどうなったのか書いて欲しい。

この映画によって不幸なケヅメリクガメが増えないことを祈ります。