ハイカラな味がする

yakuto2006-04-07

先日、同居人が出張で東京に行きました。今回の土産は山口屋の落花糖。私のリクエストである。うまい、うますぎる。食べだしたらやめられない。
落花糖・・ご存知ですか?落花生(ピーナッツ)に砂糖がからめてある豆菓子です。私は夏目漱石を通して知った食べ物なのですが「いつか食ってみたい」と思い続けておりました。わがままを言えば、昔ながらの製法で作られていて、東京にある店で買いたい。とにかく漱石た食べたものを私も(なるべく近い状態で)体感したい!願いがかなったのは数年前です(誰に言うともなく、一人地道に売っている店をさがしたのです)
夏目漱石はお菓子が大好きな人で、落花糖も大好物のひとつだったようです。奥様に隠れて落花糖を食べていたとか、亡くなる数日前もピーナッツを食べていたとか・・漱石関係のモノを読んでいるとやたら落花糖が出てきます。小説でもエッセイでもいいけど・・食べ物の事を書いている文章はいいですよね。
ピーナッツが日本に伝来したのは江戸時代初期〜中期。栽培が盛んに行われるようになったのは明治時代中期〜後期のようです。夏目漱石は明治のお人なので、えらいハイカラなものがお好みだったのですね。
落花糖
落花糖 posted from フォト蔵
その漱石先生がこよなく愛した落花糖。ワタクシもこよなく愛しております。はじめて落花糖を食べた時は、積年の想いもあいまって(おおげさな)実に豊かな気持ちになりました。実際には「これは隠れてでも食べたくなる味ぞな、もし」などと語尾だけにわか松山弁?にして、たわごとを言ったていどだったと思うけど。
以上の事は一例に過ぎんのですが、私は本を読んで「これ食いて」と思い、さまよい歩く(もしくは作ってみる)ことが多いのです・・・落花糖は今でもハイカラで洒脱な味がして美味しゅうございます。漱石先生の作風にもあっているのが、なおよろしい。

話はかわりますが、同居人・・・三の丸尚蔵館若冲を観てきたらしい。いや、無理にでも時間を作って観に行くのはわかっていたよ。あ〜羨ましい。そして実家にも寄ってきたのですが、お菓子を土産に持たせてくれました。これも美味しいのです。サブロンという店のサブロンというお菓子(上の方の写真がサブロン)
それにしても・・・仕事してきたんでしょうか?