なにはの梅組お披露目公演が堺能楽会館で堂々のおめみえでございました。
なにはの梅組お披露目!
なにはの梅組お披露目!
写真ではちょっと切れちゃったのですが、プログラムにも力が入っていて素敵なんです。
なにはの梅組とは、ヴァイオリン奏者の組長(私は「女将さん」って呼んでる)、ヴィオラ奏者の幹部(おおえの姐さん)、コントラバス奏者の組員(はせじゅんさん)で構成された、王道目指す音楽団のこと*1です。紅梅部長トコトワさんもお忘れなく!
モーツアルトピアソラトランシルヴァニア発の音楽、ピチカートの音楽。組長、幹部、組員によるトーク、梅づくしの物販などなど、アッという間の2時間。
能舞台でクラシック?タンゴ?トランシルヴァニア!?なのですが、雰囲気ありました。場の持つ力、各々の奏者が持つ力と、合わさった時の力がないまぜになり、気持ちが持っていかれました。気持ちが持っていかれたので、時間が短く感じてしまったのでしょう。はせじゅんさんのお召し物(黒足袋含む)と雰囲気にメロメロのわたくしです。なんか強そうなビームが出そうな楽器を操っていたおおえの姐さんにもメロメロですし、組長のフニャっとした話し方素敵でした(組長の事はちょっとばかし親しい??!!だけあって、メロメロとか書けない。)
何を書いているか、さっぱりわかんないと思いますが「とにかく行って聴いてみ」ということに他ならないので、興味を持たれた方は次回の公演に出陣なされよ。
モーツアルトのイメージといえば、映画アマデウスにほかならない私ですが、アマデウス…内容全然おぼえていません。唯一覚えているシーンが、すごくはしゃいでピアノ(チェンバロ?)を弾いていたモーツアルトが誰かに何かを言われ、ピアノ(チェンバロ?)の横に立ち、なんだか虚ろな表情をするシーン。今思えば『そんなシーン、本当にあったの?私が勝手に作ってるんじゃあないの?』とも感じるのですが、とにかく私にとってのモーツアルトは、はしゃぐ。と、虚ろ。に集約。
なにはの梅組で演奏された曲は、貧困にあえぐお友達のために、友達同様に決して裕福な暮らしをしていなかったモーツアルトが、ひと肌脱いだというエピソードのある曲なのだそうですが、そういう背景を感じさせない楽曲で、モーツアルトっていう人をまたちょっと垣間みた気がします。
ヴィオラがヴァイオリンの音を追いかけるところは、ほんと楽しげで…。はにはの梅組メンバーは演奏曲を決定した後になって気づいたのだそうですが、なにはの梅組お披露目公演の日はモーツアルトの命日だったのだそうですよ。明るく切ないですねぇ、モーツアルト
組長&はせじゅんさん、ビームが出そうな楽器で黒子のようにビームをかき鳴らしていた*2姐さんが演奏された、ピアソラって人が作り、タンゴのリズムで奏でられる「キチョ」素敵すぎました。コントラバス大好き。大きいのも腹に響く音も、演奏するその姿も。「キチョ」とはピアソラが(その演奏に)メロメロだったコントラバス奏者のお名前だそうです。
ヴァイオリン&コントラバスのタンゴって、なんだかすっごく面白かったです。哀愁というよりは、繊細さ+時には力強さみたいなのも感じて。そしてリズムっていうのは凄いな。と思った。もうタンゴにしか聴こえないのですよ。タンゴのリズムに支配されながらも、なんだか新しい印象を受けたのは、ヴァイオリン&コントラバス(そしてビーム)という組み合わせだったからなのか、演奏者の解釈や奏で方だったのか、全部だったのか、それらプラスなにかあったからなのか…。私がここですごいなーと思ったことがひとつあって(聴く側として)能舞台が主張してなかったこと。能舞台はやはり特殊な作りなので、その場(舞台自体)が主張する場合があると感じているのですが、能舞台はある時には意識から消えてくれるものでもあるのと実感しました。
と、長々書くものあれなんですけれど(言いたい事は「実際行って聴いてみ!」なんだから)アンコール曲も面白くって、世界にはヴァイオリン、ヴィオラコントラバスの曲があるんだそうです。音楽の事よくしらない私でもわかります『その組み合わせ、ちょっとへんですよね』って。どこにあるのか?トランシルヴァニア地方に!その曲のいわれも面白いのですが、とっても軽快で楽しい音で…私にとってトランシルヴァニアといえばヴァンパイアだったのに……と軽い衝撃も受けました。ルーマニア地方には「ツィンバロン」という楽器があるのだそうです。よくにた楽器知ってます。ハンマーダルシマー。記念なので写真をくっつけてしまいます。木のバチで音を出すのです。
ハンマーダルシマー
ハンマーダルシマー
私のカメ仲間である、亀工房さんのです。
ピチカート…弾くの大好きな私からは、もうなにも言うことはございません。こんな多彩な楽曲を選んでくれてありがとう、なにはの梅組!
演奏者同士が楽しみ合っている瞬間や「きっと通じ合ってるんだ!」と思える瞬間が、こちらにも伝わってくる時があり、羨ましいような、自分も聴く側の人として参加してわかりあえたような、「そうそう!」っていう感じ。「ねぇねぇ楽しいから聴いてみてよ!」と隣にいる人に思わず言いたくなる感じ(隣の人だって聴いてるのにねー)こういう瞬間を感じられるなんて、とってもラッキー。
トークでは楽器の説明、曲の説明、音楽の歴史など多岐にわたり解説して下さったのですが、音楽よく知らない私にとって、ほんとうに楽しくて、その名解説はより楽しむためのありがたきものでした。スポーツでも絵でもなんでもそうなんだ、解説が素晴らしかったら、その世界の(たぶん自力では見つけることができない)広さや深さや面白みを感じさせてくれるのです。
さて、その名解説…組長の「おひかえなすって」の一声からはじまりました。
おひかえなすって!
おひかえなすって!
ドレス*3を着て。 私と同居人は笑い転げそうになったです。「よっ組長」とか、あいの手を入れないといけないかと思ったけど、そんなスキルない…。
グッズ売り場も充実で、梅グッズ目白押しでございました。
もう一度写真を出してしまうと↓
なにはの梅組お披露目!
なにはの梅組お披露目!
下の方にあるキーホルダー?ニョロニョロ、蛇で頭に梅つけてます。トコトワさんの作品。アルビノアルビノ!と2つ購入(もちろん2つとも私のもの)本当は全部買いしめたかったです。私と組長(もとい女将さん)の出会いは、あろうことかこのブログだったのでありますが、直接連絡をしあうようになったのはトコトワさんとのご縁が深いのです。ニョロニョロまじかわいい。まっすぐなのがいいのよー。伸びます。「キリン子様」にもちゅーもーく!
最後にこれは書いておかねばならんのですが、私がメロメロのはせじゅんさんがソロでコントラバスをバリバリ弾いてらっしゃったのですが、めっちゃかっこよかった。ほんとメロメロ。メロメロとしか書けない誤謬のなさをさらけだしてもいいくらい、メロメロです!!
同居人も組長(女将さん)の事を、以前から存じ上げているうちの一人なのですが「ニョロニョロした話し方するけど、弾くとニョロじゃない」んだそーです。トコトワさんのニョロのモデルは組長のトークを具現化したものなのであろう。
なにはの梅組、以後お見知りおきを〜〜(協力会員なので、宣伝)
すっぱいマンキャンディーっての旨しです。

*1:この説明じゃあ、わかんないと思うのでリンク先の「なにはの梅組ブログ」にひとっ飛びして下さい。ひとっ飛びしたらわかる……はずなんです!!

*2:たぶん見えないビームが出ていた、私には見えた

*3:私と同居人は「きっと歌舞伎の衣装みたいなので出てくるよね」「いやいや能舞台ですから、能装束か狂言装束でしょう」と、前日から盛り上がっていたのですが