バレン到着。

yakuto2006-04-14

先月バレンを注文したのですが、来た来た。なんとナンバーが入っていました。すごいモノを買った気分。慣れるまで時間がかかると聞いているのでドキドキします。
木版画の道具の中で一番値の張る道具は(たぶん)バレンです。紙も刷毛も彫刻刀も選べば高いけれどバレンにはかなわないと思う。値段のピンキリ度もかなわないと思います(百円〜十万円以上まで幅広〜く)・・もしかしたら砥石は例外かもしれんな・・・。
バレンは日本で発明?された道具で、値の張るものは竹や漆、和紙などが使用されています。小学生の時に木版画をされた方が多いと思いますが・・バレンを想像して見てください。竹の皮で包んでありませんか?この竹の皮が日本独自の道具であることを証明しているんですよ。
よく知られていると思いますが日本の掛け軸や仏像などを海外に持ち出す時、乾燥で傷んでしまう事が多いらしい。バレンも傷みます。バレンがバレンとして機能しないほどに、表面を包んでいる竹の皮がバリバリに裂けて使いものにならなくなるそうです。面白いですね。
浮世絵などに憧れて「バレンや刷毛を使って木版画をしてみたい」と思っても、日本より乾燥した国では肝心のバレンが使いものにならない。なので長い間バレンで苦労なさった方が多いそうです。竹皮ではなく布を巻いたり、ストッキングを巻いたり、さまざまな方法が考えられたそうです。(今現在は竹皮を使用しないバレンが開発されたのです。私も所有しておる)
刷毛もバレンもお手入れは大切で、正しいお手入れをキチンとすればするだけ長く使えるし、馴染んできて使い勝手がよくなります。使用者の態度に態度で応えてくれる。職人さん達は手入れの仕方を(私のような若造に。いや、私のような若造だからこそ心配になって)キチンと教えてくれます。長く大切に使ってもらう事を望まれて生まれてきた道具達なのです。
手仕事を前にしたら、気持ちも行動もおろそかにはできんですね。